4月中頃に沖縄へ旅行へ行った。旅行といえばズームレンズである。重いレンズは使いたくない。でもズームレンズが良い。明るさもある程度は欲しい。そんな時にEマウントにはいくつか選択肢がある。その1つが『Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS』だ。
沖縄ではα7C IIにこのレンズ1本のみで旅行中の写真を撮った。描写に関して注意点はあるが、総じてオススメできるレンズだ。α7C、α7CR、α7C IIなどを使っていて軽量なズームレンズを探している方の参考になれば幸いだ。
外観/重さ
「FE 28mm F2」「FE 35mm F1.8」「FE 50mm F1.8」「FE 50mm F2.8 マクロ」「FE 85mm F1.8」などと共通のツルっとしたデザインだ。Zeissの青バッチが付く。
AF/MF切り替えスイッチ、フォーカスホールドボタン、絞りリング、絞り指標はない。
ただし、「FE 35mm F1.8」で感じたような安っぽさは感じない。デザインは似ていると思うのだが、表面のツヤか、ZEISSバッチの効果か、、、高級感を感じることもできる。
付属のフードは花形だ。フードを付けるとより長くなってしまうのと、花形フードが好きではないので使用しなかった。フードをつけなくても写りに問題を感じることはなかった。
重さは『426g』でα7C IIと合わせても『940g』と1kgを切ってくる重さだ。
長さが『94.5mm』で、α7C IIにつけると長いと感じる。ただ、ズームレンズなので許容できるかなという気持ちになる。
重さと長さを考えるとギリギリショルダーバッグに収まるかなという感じ。ただ、バッグの中ではかなり存在感があるし、旅行中も『カメラ持っているなあ』という重さだったことは否めない。旅行中はモンベルのショルダーバックにハクバのインナーポーチを入れて持ち運んでいた。
描写
独特の色を出すレンズだ。Gレンズなど他のシリーズのレンズとは全く違う色味が出てくる。暖色よりのどこか温かみを感じる色が出る。
人を撮ったときと、食べ物を撮ったときに撮ってだしで非常にいい感じの色が出る。青空を撮影したときの色の出方もとても良い。どこかフィルムライクな青の出方をする。RAW現像では出そうと思っても出せない色なので、色味が気に入れば購入する価値はあると思う。
解像度は高すぎずちょうど良いと感じる。最新のレンズにはない温かみを描写できるレンズだ。特に広角から標準域にかけては非常に素晴らしい描写をすると思う。
望遠域の描写はあまりよろしくない。70mmだとピントが来ているのか来ていないのかよくわからない描写になる。絞ってもあまり改善はしなかった。望遠域をよく使うのであれば考慮しておきたい。
それでもこの色合いとツヤっぽい描写は上手くハマった時は他のレンズでは出せない雰囲気だと思う。
AF
人物(大人)とスナップしか撮影していないので、動きの速いものを撮影したわけではないが、AFは十分だ。
α7C IIの性能もあるのかもしれないが、「なかなか合焦しないな」とイラつくことは一度もなかった。
ただし、望遠域だとピント面でもぼんやりした描写なので、ピントが合っているのか不安になる、ということは何度かあった。
価格
マップカメラやカメラのキタムラで新品を購入すると、税込み¥107,910で購入可能だ。(2024年5月16日時点)
さすがにこの価格で購入する価値はないと思う。
この値段を出すのであれば、『TAMRON 28-75mm F2.8 Di III VXD G2』や『SIGMA Contemporary 28-70mm F2.8 DG DN』を購入するのがおすすめだ。自撮りをするのであれば、『TAMRON 17-50mm F4 Di III VXD』も選択肢に入ってくるだろう。
中古だと美品が¥67,800で出品されており、この値段であればオススメできる。
Eマウント標準ズーム一覧
Eマウントの標準ズームのうち、F値が4より小さく一定のレンズを一覧にしてみた。複数人での自撮りで使える軽量なレンズとしては、『17-50mm F4 Di III VXD』、『FE 24-50mm F2.8 G』、『FE 20-70mm F4 G』あたりが候補となる。
まとめ
24mm~50mmをメインに使う人で、普段は単焦点を使っていて、旅行やお出かけ用に自撮りもできるズームレンズが欲しい、という方におススメできるレンズだ。
70mm付近の描写はかなり甘いというかぼんやりしているので注意が必要だ。
24mmは2人で無理なく自撮りができる一番狭い画角だ。28mm始まりのレンズだと2人での自撮りは難しいので、開放F値が大きくなってもこのレンズを使う意味があると思う。
このブログは、映画、小説、カメラのレビューを中心に投稿している。
今後もカメラやレンズのレビューを追加していくので、この記事が参考になった方は『読者になる』ボタンを押していただければと思う。