α7C IIを購入して2か月ほど経っているのだが、合わせるレンズを決めかねている。
α7C IIの最大の魅力である『小型軽量』を活かせる、持ち出す心理的ハードルが低くて、日常的に使用できるレンズを探している。見た目もレンズを買う際に重視するポイントだ。
今回はEマウントの中では比較的新しい小型軽量レンズ『FE 40mm F2.5 G』をレビューする。α7C、α7CR、α7C IIなどに合う小型軽量なレンズを探している方の参考になれば幸いだ。
描写
描写で気になる点は特にない。色乗りがよく非常にきれいで歪みも抑えられ、解像感も高い優等生なレンズだと思う。解放がF2.5なのでさほど大きなボケは得られないが、F2.8通しのズームレンズよりはボケる。妻や友人などの写真を撮ったがおおむね満足できる結果ではあった。小型なため四隅の解像度が少し劣るとの声もあるが、撮影していて気になることはなかった。
AF
人物(大人)とスナップしか撮影していないので、動きの速いものを撮影したわけではないが、AFは非常に早い。撮影していてフォーカスが気になることはなく、合ってほしい場所にスッと合うイメージだ。
見た目/重さ
AF/MF切り替えスイッチとフォーカスホールドボタンあり。絞りリングや絞り指標がある。『FE 24mm F2.8 G』、『FE 50mm F2.5 G』、『FE 24-50mm F2.8 G』などと共通の高級感を感じるデザイン。個人的に最近のソニーのGレンズのデザインはソリッドで非常に好きだ。絞り指標があるのもデザイン的に良い。
α7C IIのデザインとテイストが合っており『ベストマッチ』と言える印象だ。レンズ固定式のカメラのように見える。α7Cと発売時期が近いのでデザイン的にも統一感を持たせているのかもしれない。
重さは『173g』でα7C IIと合わせると『687g』と非常に軽い。同じフルサイズのレンズ固定式カメラである『Leica Q3』よりも軽い。(『Leica Q3』はバッテリー込みで『743g』)α7C IIと『FE 40mm F2.5 G』の組み合わせは、『最軽量のフルサイズレンズ固定式カメラ』と言えると思う。しかもAFは爆速だ。
長さが『45mm』で、α7C IIにはベストな長さ。個人的にもう少し短いとベターだと思うが、文句はない。近い焦点距離で本レンズより短いのは、『Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA』のみである。(『Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA』は『36.5mm』)ハンドリングは非常によく、カバンへの収まりも良い。
付属のフードはフジツボ型だ。個人的に見た目は好みではない。フードを付けなくても写りに問題を感じることはなかったので、付けずに運用するのもおすすめだ。フードが必要であれば、『FE 24mm F2.8 G』の円形フードかHaogeのフードを購入すると良いだろう。
価格
マップカメラやカメラのキタムラで新品を購入すると、税込み『¥85,140』で購入可能だ。(2024年5月20日時点)中古だとマップカメラの美品が『¥78,800』で購入可能だ。
『40mm F2.5』というスペックを考えると、高価だという声もあるようだが、そうは思わない。高級感があり所有欲を満たす外観と小型軽量さに、良好な描写を持つことを考えると妥当な値付けだと感じる。
外観がかっこよいレンズは、各メーカーを見渡しても非常に少ない。ソニーの最近のGレンズ、GMレンズ以外だと、SIGMAのIシリーズ、LeicaやCosinaのMマウントレンズ、富士フイルムのレンズ、Nikonのごく一部のレンズ(『NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)』と『NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)』)くらだろうか。
【参考】Eマウントフルサイズ対応で300g程度の重量のレンズ一覧
新品で購入可能なEマウントの焦点距離35mm付近のレンズで300g程度で比較的軽量なレンズを一覧にしてみた。
価格の安さを求めるのであればタムロンかサムヤンをおすすめしたい。極限まで軽量を求めるのであれば『Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA』がおすすめ。外観重視であれば、『FE 40mm F2.5 G』か『Contemporary 35mm F2 DG DN』がおすすめ。
『FE 35mm F1.8』は本ブログでもレビュー記事を書いているので参考にしてみてほしい。
気になる点
描写やAF、外観が良い本レンズだが、1点だけ気になる点がある。それは、『焦点距離が40mmであること』だ。筆者は35mmが常用の画角なのだが、35mmと比べると40mmは狭い。35mmは広角と呼べるが、40mmは標準域だなと感じることが多い。
例えば、以下の写真では左側の自販機が途中で切れてしまっている。35㎜だったら、切れなかったと思う。できれば同じ開放F値で35mmで作ってほしかった。『Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA』があるので焦点距離が40mmになったのだろう。『Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA』は絞りリングがないし、良い意味でも悪い意味でも独特な色を出すので他レンズと合わせて使うときに使いにくい。デザインもα7Cシリーズにベストマッチとは言えない。
まとめ
良好な描写性能とAF機能を備えたレンズだ。
特筆すべきはα7c IIとベストマッチかつ高級感と所有感を感じる外観。
やや高価ではあるものの、40mmの焦点距離が気に入れば、α7Cシリーズのユーザーに非常におすすめできるレンズだ。
このブログは、映画、小説、カメラのレビューを中心に投稿している。
今後もカメラやレンズのレビューを追加していくので、この記事が参考になった方は読んでいただければと思う。